私が使用する体操語を、日本語で解説する用語集です。 | |
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あ | |
アーム | 平行棒における姿勢の一種で、この姿勢から開始されるB難度以上の技が、一度は演技に組み込まれている必要がある。最初は非常に痛いが、一年絶った頃から快感へと変化していく不思議な姿勢。また、この姿勢でスイングする事を「アームスイング」という。 |
あふる | 下半身を振る事によって、スイングの反動を生み出す技術のこと。初心者のうちはあふり方が分からず、非常に苦労するはず。 |
おいしい | 比較的容易に覚えられる割には、高い難度に設定されている技のことを指す。主に、簡単なB難度技が「おいしい技」の対象となっている。典型的な「おいしい技」としては、床の前方宙返り1回ひねり、鞍馬の交差跳び横移動、吊り輪の後方伸身宙返り半ひねり下り、平行棒の蹴上がりカット支持などがある。 |
か | |
カット | 練習で使用した器具を片付けること。西日本では、「なおす」と言うらしい。(⇔セット) |
カット | 平行棒や鉄棒、段違い平行棒の技で、足を一度開いて開脚姿勢をアピールし、決めの姿勢でビシッと閉じる技のこと。足の動きがハサミで切る動きに似ているという理由で、この名が付いたのだと勝手に想像している。初心者のうちは、平行棒のB難度稼ぎに重宝する(バーへの接触率は高い)。膝が曲がっていると非常に見栄えが悪く、大きな減点を食らうことになる。 |
ガンバ | 体操における応援のこと。体育館の活気に比例して、「ガンバ」と聞こえる回数も増えていく。 |
月面 | 後方抱え込み2回宙返り1回ひねりのこと。一般にはムーンサルト(サルト)と言われているが、私は月面という言い方の方が好き。ダブルとひねりの魅力を同時に味わえる美味しい技だが、空中での自分の位置が分からなくなるといった、非常に危険な技であると思う。鉄棒と床、できればsE難度の平行棒でやってみたい。 | 声出し | 法政二高夏合宿の名物であり、「頑張っていきましょう!」「声出していきましょう!」「気合入れていきましょう!」と大声で叫んで気合を高めること。現在、鎌倉高校や湘南高校へも広める計画を実施中。 |
さ | |
死ぬ | 怪我をする確率の高い技で失敗すること。私が「失敗したら死ぬぞ!」と忠告した技に失敗しても、決して命を落とすわけではなく、大部分は脳震盪や骨折程度で済む。(ただし、一部例外有り)。 |
しゃ | 気合を高める時、難しい技に挑戦する時、技に成功した時、一区切りつける時などで一般的に使われる(?)掛け声の一種。 |
新月面 | 月面の発展技で、後方抱え込み2回宙返り2回ひねりのこと。訳が分からないので、コメントは控えます。 |
伸肘(しんぴ) | 徐々に体重を腕に乗せていき、天秤の原理で足を浮かせて倒立に収める技のこと。伸肘倒立が正式名称。あらゆる種目に応用が効き、「伸肘を制す者は体操を制す」という名言を、高校時代の先輩から聞いたような気もする。 |
スワン | 二種類存在する伸身姿勢(宙返りなどで体が一直線になっている姿勢)の一種で、体は綺麗な曲線を描いている。非常に美しく体操らしい姿勢だが、回転効率が非常に悪い。もう一種の伸身姿勢は「白樺(しらかば)の姿勢」と呼ばれており、体を完璧な一直線にするために全身の筋肉をガチガチに締める。横の回転半径が小さくなるので、ひねりを容易に行うことができる。 |
セット | 練習前などに、鉄棒などの器具を組み立てて準備すること。(⇔カット) |
た | |
タックル | 抱え込み姿勢の事。私は滑舌が悪く、「抱え込みダブル」と言うのが非常に面倒なので「タックルダブル」と言うようになり、無意識のうちに自分の中で「抱え込み」=「タックル」が定着していた。ちなみに、私が教えている選手は突撃(tackle)だと勘違いしていた。 |
ダブル | 二回宙返りのこと。特に、後方抱え込み二回宙返りを指す事が多い。同義語のドッペル(ドイツ語)は、上級者の間でしか使用してはいけないような感が有るので、私は絶対に使わない。 |
ダブルスイング | 鞍馬、吊り輪、平行棒、鉄棒、段違い平行棒で行われる、無駄なスイングのことを指す。試合でダブルスイングを行うと、1回ごとに0.3という厳しい減点を食らう事になるので注意が必要。 |
タンマ | 炭酸マグネシウム(MgCO3)の略で、体操選手が手に付ける白い粉のこと。通常は手の平に擦り込むのだが、手が滑って抱え込みが解けないよう、脛や太股の裏側に塗る人も多い。カロリーメイトにも含まれている食品添加物であり、食べる事もできる(誰かが食べているのを見たことは無いが)。栄養学的にマグネシウムは筋肉の痙攣を防ぐ効果が有り、足が吊り易い人は食べると良いだろうと思う。また、大きい方の排泄物を柔らかくする効果も有るので、便秘がちな人にもお勧め。 |
ツカハラ | @跳馬の「側転跳び1/4ひねり後方抱え込み宙返り」という技は、一般的にこう呼ばれている(〜跳び)。 A鉄棒の月面宙返り下り(ムーンサルト)の事を指す。使われる事は基本的に皆無で、意味が通じる人も非常に稀である。 B現ナショナル選手の1人で、アテネ五輪、団体の金メダリスト。アトランタ、シドニー五輪にも出場経験が有る。 C「B」の父親であり、ムーンサルト(鉄棒)を開発した人である。 |
な | |
猫宙 | 後ろ跳びひねり前方宙返りの俗称。ダイビング前宙、アラビアン前宙とも呼ばれている。側宙と同グループの技であり、いずれかを使用しないと0.2減点されてしまう。 |
は | |
バックツイスト | 私の十八番なのだが、集中力が成功失敗を左右する技であり、失敗すると突き指(下手をしたら骨折)をするので未だに強い恐怖心を持っている。 |
ピンコ | 棒下振り出し腕支持の俗称であり、広く一般的に使用されている。技を具体的に説明すると、鉄棒でいう前振り飛び下り(翻転倒立を前に流して飛ぶ下り技)を行って浮かせてから、アームで受けるといった感じだろうか。いずれにしても、アームカットやアームバック倒立へと繋げる為の大切な技。藤沢翔陵高校では、「ボーゲン」という名が一般的に使用されている。 |
プロテ | プロテクターの略称。体操部に通じない事は基本的に無いと思う。ある人は、「テクター」とも呼んでいた。「プロテイン」の略称と間違える人もいる(体操初心者に多い)。鉄棒、吊り輪、段違い平行棒用が存在し、過去には平行棒用も有ったらしい(アメリカでは購入可能との噂が)。 |
ま | |
回す | ダブルなど、難しい回転系の技に挑戦すること。初めてスイング宙などに挑戦する時などにも使用する。どちらかと言えば、恐怖心の強い技に挑戦する場合に使用しているような気がする。 |
ミニ | ミニ吊、ミニ平など、器具の小型版を指す場合に使用する。他にも、ミニ鉄、ミニトラなどのバリエーションが存在。 |
や | |
弱い | @種目、技などが苦手だという意味。ex.)俺は鞍馬が〜。吊り輪では十字が〜。 A力が弱かったり、すぐにばてることを指す。ex.)そこで伸肘が上がらないなんて〜。 |
ら | |
レントゲン | 跳馬に真正面から突っ込むこと。激突の際、腹が(旧型)跳馬の端に密着していて、レントゲン撮影(X線を使用して、肺の病気を発見すること)に似ていることから、この名が付いたのだと思う。跳馬が新型へと変更された今、死語に変わりつつあると予想している。ちなみに、レントゲンはX線を発明した人の名前である。 |
わ | |
ワリバシ | 伸身姿勢の「白樺姿勢」における俗称。細くて一直線であるワリバシの身が、体が締まって一直線である白樺伸身に似ている事から、この名が付けられたのだと思う。ワリバシを投げて遊んでいれば、白樺伸身のイメージを掴むことができるはず。 |
割れる | @足が完璧に閉じておらず、若干開いていること(足が〜)。典型的な減点対称であり、無意識に割れている事も多いので、常に細心の注意を払わなければならない。 A皮の向けた部分が乾燥して固くなった所に衝撃が加わり、傷口にヒビが入って割れてしまうこと。掌(てのひら)の線に沿って割れた皮は再び割れる確率が高く、非常に治りにくい。未然に白色ワセリンを塗っておくと、ある程度は割れるのを防ぐことができる。 |